10.字路

 僕は逃げていた。
 誰から逃げているとかそういう説明は省くとしてとにかく逃げていた。
 そして僕はビルの路地裏に入る。
 T字路があった。
 僕は迷わない。
 迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。
 直感を頼れ、と祖父が言っていた。祖父の言葉を信じるならば、T字路に差しかかった僕が取る行動はたったひとつ。
 僕は左右のどちらへも行かなかった。
 だからと言って引き返したわけでも、立ち止まっても空を飛ぼうとしたわけでも、近くにあるマンホールに入ろうとしたわけでもない。
 僕はT字路をそのまま直進した。
 壁をぶちやぶり、T字路を十字路にして。
 不可能だと思うかもしれない。
 しかし、実際、僕はやり遂げている。
 やり遂げたのだから、壁を壊すのは可能だったってことだ。
 祖父の言葉を思い出す。
 迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。
 本当にその通りだ。
 だから僕は迷わなかった。
 T字路に差しかかったとき、僕はあの壁をぶち壊したら、面白いかもしれない。
 そんなことを思っていた。
 左か、右か、なんて考えた時点で迷いが生じてしまう。
 だから僕は思ったままの行動に出た。

 そうだよ、それが正解っ!

 僕を追ってきたビニール袋男が立ち止まり、叫ぶ。
 瞬間、男は消えた。
 不可思議な現象に言葉を失いながらも、僕は強く一歩を踏み出した。

-完-
スポンサーサイト

テーマ : 短編小説
ジャンル : 小説・文学

2012-10-21 : 小説:T字路 : コメント : 0 :
Pagetop

9.受諾

 僕は告白されていた。魔女と名乗る女性に。
 思わず鼻で笑いそうだったが、なんとか堪える。
 返事をくれ、という魔女に対して僕は迷っていた。
 迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。直感を頼れ、とお前の祖父も言っていただろう。
なのに僕は迷っていた。どう答えてもろくなことがねぇような気がしてきた。
 付き合いましょう。
 と宣言すると、嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい、ねぇ、ワタシのドコが好き?
 猟奇的に魔女がたずねてくる。
 僕はきれいなところかな、と言ってみた。
 すると魔女は喜んで、チューしてくれる。
 それだけでサイコーな一日だと実感する。
 祖父の言葉を思い出す。
 迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。
 そんなことなかったぜ!
 僕は魔女に招待されて、魔女の部屋にやってきた。そこには魔法陣。
 魔女は言った。ワタシが好きなんでしょ? だったら生贄になってよ。手にはカマがあった。
 祖父の言葉を思い出す。本当にその通りだった。
 サイコな一日に変貌して、僕は死んだ。

テーマ : 短編小説
ジャンル : 小説・文学

2012-10-21 : 小説:T字路 : コメント : 0 :
Pagetop

8.拒否

 僕は告白されていた。魔女と名乗る女性に。
 思わず鼻で笑いそうだったが、なんとか堪える。
 返事をくれ、という魔女に対して僕は迷っていた。
 迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。
 直感を頼れ、とお前の祖父も言っていただろう。
なのに僕は迷っていた。どう答えてもろくなことがねぇような気がしてきた。
 ごめんなさい。
 と謝ると、どうしてなの、なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで?
 猟奇的に魔女がたずねてくる。
 僕は少し迷う。正直に言うべきか、はぐらかすべきか。
 迷っていると魔女は怒って、もういいエンドレスに呪われろと言って去っていく。
 それだけで散々な一日だと痛感する。
 受諾したらどうなったのだろうか、考えたくもない。
祖父の言葉を思い出す。
 迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。
 本当にその通りだ。
とある猛暑日の正午、僕はダンボールをかぶった男から逃げていた。
 なんで逃げているとかそういう説明は省くとしてとにかく逃げていた。
 そして僕はビルの路地裏に入る。
 T字路が見えてきた。

テーマ : 短編小説
ジャンル : 小説・文学

2012-10-21 : 小説:T字路 : コメント : 0 :
Pagetop

7.未来

 僕は追っていた。
 なんで追っているとかそういう説明は省くとしてとにかく追っていた。
 追っていた男がビルの路地裏に入る。
 その先にはT字路があるがそこに行ってははダメだ。
 男はT字路を前にして迷っていた。
 迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。
 直感を頼れ、とお前の祖父も言っていただろう。
 なのに男は迷っていた。 
 それじゃあ何を選択しても、ろくなことがねぇ。男なら猪突猛進しろ。
 伝えたいが、伝えられない。それが僕が過去に戻るための条件だったから。
 一言でも喋ったら、僕は消されてしまう。
 男がT字路の前に立ち止まり、こちらへ戻ってくる。
 このエンドレスからもう抜け出せない。
 だから、僕は男を殺す。
 このエンドレスから抜け出した僕ができるのは男を、過去の僕を殺すことだけだ。
祖父の言葉を思い出す。
 迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。
 本当にその通りだ。
だから僕は長い間、エンドレスに捕らわれていた。
あの時、僕は告白を受け入れていればよかったのだろうか。
そうすれば、かつてあんな目には遭わなかっただろうし、今、こんなことをしなくてすんだような気がする。
ビニール袋をかぶった僕は、過去の僕を殺した。

テーマ : 短編小説
ジャンル : 小説・文学

2012-10-21 : 小説:T字路 : コメント : 0 :
Pagetop

6.下

 僕は逃げていた。
 誰から逃げているとかそういう説明は省くとしてとにかく逃げていた。
 そして僕はビルの路地裏に入る。
 T字路があった。
 右に行くべきか左に行くべきか。
 迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。
 直感を頼れ、と祖父が言っていた。
 けれど僕は迷っていた。
 何を選択しても、ろくなことがねぇような気がしてならない。
 ここには初めてきたというのに何度か痛い目にあったかのようなそんな感覚。
 僕はT字路に向かいながら考える。
 立ち止まらない。
 追っ手から逃げているのに、追いつかれるような真似をするのは愚の骨頂。
 じゃあ何をすればいいのか。
 と思考に明け暮れて僕は気づく。
マンホールがあった。
 気合で蓋を開けて、中に飛び込む。
 下水道に続いているはずのそのなかは、まさかまさかの地底世界が広がっていた。
開いた口が広がらない。実際には閉じているけれど。
ゴリラに似た猿人が僕に近づいてくる。
 一難去ってまた一難。
 そもそも、最初の一難が去ったのかは分からない。
けれどあのT字路でどちらに行くべきか迷ってしまった時点で、ろくなことがねぇと決まっていたのかもしれない。
 そもそもあの路地裏に迷い込んだ時点でろくなことがねぇのか。それは分からない。
祖父の言葉を思い出す。
 迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。
 本当にその通りだ。
だったら僕はどうすれば良かったのだ。
 右に行けばよかったのか、左に行けばよかったのか。
 僕はごちゃごちゃと自分の選択に文句を言いながら迫りくる猿人から逃げ出した。
 すぐに捕まる。
 一週間後、ペットとして飼われていた僕の前に、そいつは現れた。
 僕を追っていた、あいつが。
 そして僕は死んだ。

テーマ : 短編小説
ジャンル : 小説・文学

2012-10-21 : 小説:T字路 : コメント : 0 :
Pagetop

5.上

 僕は逃げていた。
 誰から逃げているとかそういう説明は省くとしてとにかく逃げていた。
 そして僕はビルの路地裏に入る。
 T字路があった。
 右に行くべきか左に行くべきか。
 迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。
 直感を頼れ、と祖父が言っていた。
 けれど僕は迷っていた。
 何を選択しても、ろくなことがねぇような気がしてならない。
 ここには始めてきたというのに何度か痛い目にあったかのようなそんな感覚。
 僕は立ち止まる。
 路地裏に入る必要はない。
 来た道をあえて戻るというのは斬新ではなく愚の骨頂。
 じゃあ何をすればいいのか。
 そんなのは簡単だ。僕は空を飛ぼうと決めた。
そして僕は追いつかれる。僕は正体不明のそいつから逃げていたのだった。
だから、逃げているのに立ち止まるなんて愚の骨頂だった。
ましてや、空を飛んで上に逃げようだなんて。僕はただの人間だぞ。空を飛べるわけがない。
ああ、あそこで左に行くべきだったのか。はたまた右に行くべきだったのか。
それは分からない。
 けれどあのT字路でどちらに行くべきか迷ってしまった時点で、ろくなことがねぇと決まっていたのかもしれない。
 そもそも路地裏に迷い込んだ時点でろくなことがねぇのか。それは分からない。
祖父の言葉を思い出す。
 迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。
 本当にその通りだ。
 だったら僕はどうすれば良かったのだ。
右に行けばよかったのか、左に行けばよかったのか。
 僕はごちゃごちゃと自分の選択に文句を言いなが迫りくるそいつを見つめた。
そして僕は試しにぴょんと飛んでみる。
何を勘違いしたのか、そいつは僕をビルの屋上に連れて行き、放り投げた。
 見て、僕は空を飛んでいるよ。グシャリと僕がつぶれて死んだ。空から落ちて。
 飛べるわけがない。

テーマ : 短編小説
ジャンル : 小説・文学

2012-10-21 : 小説:T字路 : コメント : 0 :
Pagetop

4.前

 僕は逃げていた。
 誰から逃げているとかそういう説明は省くとしてとにかく逃げていた。
 僕がそいつと遭遇したのは、猛暑日の正午だった。
 それだけ書けば既に暑いと察してくれる人は何人いるか分からないけど、とにかく猛暑日の正午だった。
 帽子を忘れた僕は近くの百均ショップで帽子を買おうと迷った挙句、やっぱり買うのをやめた。
 けど、その代わりかなり冷えたジュースを買うことに決めた。
 スポーツ飲料か炭酸飲料、どちらとも有名メーカーのものだけど僕はどちらを買おうか迷っていた。
 結局、スポーツ飲料にしたが、決めるのに随分と時間がかかった。
 それを一気に飲み干すと、そいつがいた。
 いきなり現れた。そいつは包丁を持って、いきなり僕に襲いかかってきた。
 だから僕は逃げ出した。
正体は不明。
 ビニール袋を頭にすっぽりと被り、そのビニール袋から開いているふたつの穴から瞳を覗かせている。
 服ですらダンボールだ。それもみかん。胸元に有名どころの産地が書かれている。
 傍から見れば変人。
 でも強靭な凶刃を持っているから狂人。
そして僕はそいつから逃げる最中、ビルの路地裏に入るか入らぬべきか迷っていた。
迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。
 直感を頼れ、と祖父が言っていた。
だから僕は直感を頼って、路地裏に入ることにした。
 だって、路地裏に入らなければ、身を隠すこともできず、延々と逃げるはめになるだろう。
いや、でも、けれど、僕は路地裏に入るべきなのか、入っても入らなくても、ろくなことがねぇような気がする。
 僕は迷ってしまったけど、それを気の迷いとして、路地裏に飛び込んだ。
 T字路が見えてくる。

テーマ : 短編小説
ジャンル : 小説・文学

2012-10-21 : 小説:T字路 : コメント : 0 :
Pagetop

3.後

 僕は逃げていた。
 誰から逃げているとかそういう説明は省くとしてとにかく逃げていた。
 そして僕はビルの路地裏に入る。
 T字路があった。
 右に行くべきか左に行くべきか。
 迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。
 直感を頼れ、と祖父が言っていた。
 けれど僕は迷っていた。
 このまま迷って右を選択するとろくなことがねぇような気がする。
 かと言ってこのまま迷って左を選択するとろくなことがねぇような気がする。
 だからこそ僕はあえて来た道を引き返した。なんていう斬新さ。
 そして来た道を引き返す。
 そもそも路地裏に入ったのが間違いだったのだ。
 僕は走り出す。
 そして僕は出遭う。そう僕は逃げていたのだった。
 追われていたのだった。路地裏に入ろうと思ったのも追われていたからではなかったか。
 だから、来た道を戻るなんてことは斬新でもなんでもなく愚の骨頂だった。
 なんて選択をしてしまったのだ。
 ああ、あそこで左に行くべきだったのか。
 はたまた右に行くべきだったのか。
 それは分からない。
 けれどあのT字路でどちらに行くべきか迷ってしまった時点で、ろくなことがねぇと決まっていたのかもしれない。
 そもそも路地裏に迷い込んだ時点でろくなことがねぇのか。それは分からない。
 祖父の言葉を思い出す。
 迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。
 本当にその通りだ。 
 だったら僕はどうすれば良かったのだ。
 右に行けばよかったのか、左に行けばよかったのか。
 僕はごちゃごちゃと自分の選択に文句を言いなが迫りくるそいつを見つめた。
 そして僕と向き合ったそいつはにたりと笑った。
 迷ってしまったせいで何もかもが裏目に出て、そして僕はそいつに刺されて死んだ。
 追われていた正体不明のそいつに。

テーマ : 自作小説
ジャンル : 小説・文学

2012-10-21 : 小説:T字路 : コメント : 0 :
Pagetop

2.左

 僕は逃げていた。
 誰から逃げているとかそういう説明は省くとしてとにかく逃げていた。
 そして僕はビルの路地裏に入る。
 T字路があった。
 右に行くべきか左に行くべきか、はたまた引き返すべきか。
 僕は迷うことなく左を選択する。
 迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。
 直感を頼れ、と祖父が言っていた僕はその言葉を全面的に信じ、自分の直感を信じた。
 だからこそ僕は左へと行くことにした。
 左に進むとそこは入り組んだ道だった。
 路地裏なのかと疑ってしまうほど道が入り組んでいた。
 まるでアスレチックにある迷路だ。
 どこか別の空間に入ってしまったような感覚に襲われる。
 右、まっすぐ、左、僕は自分の直感を信じて走り続ける。
 僕は逃げていた。僕は追われていた。息が苦しい。
 ずっと走り続けている。もうダメだ。立ち止まりたい。けど捕まるかも。
 僕は疲れ果てて立ち止まる。誰も追いかけてくる様子はなかった。
 僕は逃げ切った。やったぞ。
 そして辺りを見回す。ここはどこだろう?
 道は前も後ろも迷路のように入り組んでいた。
 左右も同じだ。僕が立っている場所は十六字路だった。
 十六方をぐるりと見渡して、僕は出口を探す。
 出口なんて無いんじゃないかと急に不安に駆られそして恐怖が生まれた。
 だから僕は走り出した。追われてもいないのに。
 走っても走っても、出口はない。
 僕は迷っていた。祖父の言葉を思い出す。
 迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。
 本当にその通りだ。
 僕はいまさら右に行けばよかった、と後悔していた。
 それかもしくはあのT字路で引き返すべきだったか。
 僕はごちゃごちゃと自分の選択に文句を言いながら数分間走り続けた。
 だから僕は地面の変化に気づかなかった。
 僕は落とし穴に落ちた。
 迷ってしまったせいで何もかもが裏目に出て、そして僕は死んだ。

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

2012-10-21 : 小説:T字路 : コメント : 0 :
Pagetop

1.右

 僕は逃げていた。
 誰から逃げているとかそういう説明は省くとしてとにかく逃げていた。
 そして僕はビルの路地裏に入る。
 T字路があった。
 右に行くべきか左に行くべきか、はたまた引き返すべきか。
 僕は迷っていた。
 迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。
 直感を頼れ、と祖父が言っていた。
 祖父の言葉を信じるならば、右に行こうと直感的に思ったのだから右に行くべきだ。
 けれど、左のほうが安全なような気がする。
 そもそも初めは左に行こうと思っていたのではなかったか。
 いやそんなはずはない。
 右だ。右で正しい。
 僕は右へと行くことにした。
 右へと進むとそこは真っ直ぐな道だった。
 どこにも曲がり道がない。
 それどころかビルとビルに挟まれてすらない。
 明らかに路地裏じゃない。
 どこか別の空間に入ってしまったような感覚。
 それでも僕は走り続ける。
 僕は逃げていた。
 僕は追われていた。息が苦しい。ずっと走り続けている。
 もうダメだ。捕まるかも。一瞬そんな懸念を抱いてしまった。
 立ち止まり後ろを向く。
 誰も追いかけてくる様子はなかった。僕は逃げ切った。やったぞ。
 そして辺りを見回す。ここはどこだろう?
 道は前にも後ろにも延々と続いていた。
 左右は壁で隙間も道もない。
 僕が居る場所はいったい、どこだ?
 僕はその不可思議な光景が怖くなって、走り出した。追われてもいないのに。
 走っても走っても、その光景は変わらない。
 まるで同じ場所をループしているようだった。
 祖父の言葉を思い出す。
 迷うとろくなことがねぇ。
 とくにお前みたいなタイプが迷ってしまうと、それが裏目裏目に出てしまう。
 本当にその通りだ。
 僕は左に行けばよかったのだ。 なんで左に行かなかったのか。 直感を頼れ。本当にその通りだよ。
 なんで僕は左に行かなかったのか。
 僕はごちゃごちゃと自分の選択に文句を言いながら数分間走り続けた。
 だから僕は地面の変化に気づかなかった。
 僕は落とし穴に落ちた。迷ってしまったせいで何もかもが裏目に出て、そして僕は死んだ。

テーマ : 短編小説
ジャンル : 小説・文学

2012-10-21 : 小説:T字路 : コメント : 0 :
Pagetop
ホーム

語る意味を持たない何か

伊藤検事

Author:伊藤検事
メガネっこ。日記は毎日更新。
やるせない毎日とふがいない日々に、
意気消沈中。
小説の更新はここではしなくなった模様。
ネット上のどこかにあるように思えます。
たぶん。

カレンダー

08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

嘘に対する冷静なツッコミ

ブログ内検索

アクセス数

月別嘘溜置場