日々徒然。156日目。時々狩猟。23日目。エコバックを持っていても、これに入れてという勇気がない人達は多い。
2008-05-05 :
日記 :
追憶-7710 第8章 されど遊戯は巡りめく act.46-12~46-16
追憶-7710 第8章 されど遊戯は巡りめく act.46-7~46-11はこちら
act.46-12 桔梗 真琴
私は死ねない。
あらじんから貰った大切な命を無駄にはできないから。
だから、あらじん。私はあらじんのまじないを使ったんだ。やっぱりあらじんはすごいね。私は死んでないよ。
「ハハホホヘー!」
ジミーが私を煙を撒き散らし、覆い隠す。
私は一度だけ、能力を無駄遣いしている。
ジョーカーになったら、能力を使うたびに寿命が一日減る。だから無駄遣いは致命傷かもしれないけどそれでも使いたかった。
あらじんが死んだ直後、すぐにジミーを消したけど、家に帰ったらなんだか急に寂しくなった。だからというわけではないけどジミーを呼び出した。
「ハハホホヘー。早い呼び出しでございますですね、お嬢様」
「んっ。そうかな?」
私はとぼけたあと、
「ねえ、ジミーさん?」
「さん付けされますですと、わき腹がくすぐったいでございますからジミーとお呼びくださいませ、お嬢様」
「うん。じゃあ、私はジミーと呼ぶからジミーは私を真琴って呼んでよ」
「それは無理でございますです。要請するならともかく、自主的にそう呼ぶことはできないのでございますです」
「そういうものなの?」
「ええ、自然の摂理にございますです。さてそれでは要請しますですか?」
「しない。要請してまで私は呼んで欲しくないから」
「分かりましたでございますです。いつか我輩めがお嬢様をそう呼べる日が来るまで楽しみにしておいてくださいませ。ちなみにこれは社交辞令でございますので、ほぼありえませんが」
「それよりもね、あらじんは他になにか言ってなかったかな?」
「はて? 要請されたことは全て終わらせたつもりでございますですが」
「ううん。要請してないことでもいいから、あらじんが何をやっていたのか知りたいの」
「要請しますですか?」
「うん」
私が頷くと、ジミーは考え出す。
「そうでございますですね。お嬢様に役立ちそうなことと言いますれば、おそらく我輩を使った危機的状況時の完全回避が一番でしょうか」
「……何それ?」
「故・ご主人様は、死者の復活が我輩に要請できないと知ると、死なない方法を考えていたのでございますです」
「それは何?」
「我輩めに要請すればいいんでございますよ。能力によって死なないようにする、とか」
「それは一度要請すればずっと続くの?」
「もちろんでございますです」
「それじゃあ私は死なないってこと?」
「少し違いますです。我輩めを呼ぶたびに、つまり能力を使うたびに、寿命が減りますです。それはお嬢様が取り憑かれているからでございますですが。そしてそれと関連して、寿命がなくなれば死にますです」
「じゃあそれ以外では死なないようにはできるの?」
「不可能ではありませんが、少し違います。我輩め、死んだ人間は生き返らせれません。そしてお嬢様への外傷、ありとあらゆる攻撃を完全に無効化することもできません」
「じゃあどうやって死なないようにするの?」
「いわば超回復でございます。回復を超える超回復で、どんな致命傷でも、死ぬ前に修復するのでございますです。だから我輩にもし要請した場合でございますですが、死ななくはなりますが、と同時に毎回死ぬような痛みは我慢してもらう必要がございますです。その覚悟がおありであれば是が非でも要請してくださいませ」
どうしてあらじんはそれを分かっていながら、そうしなかったのかなと尋ねようとして私は気づきました。
私のためだ。私のために死のうと決めたから、それをしなかった。話すだけ話して、やめておいた。
それはきっと私があらじんのことが好きで、そしてあらじんが死んだら私はきっとジミーにあらじんのことを訊く。
そこまで分かっていたんだ。そしてジミーはこの話をした。
覚悟をしていたあらじんはこの要請をやめた。私を生かすためにやめた。
そしてあらじんは私が生き残るために、この要請をジミーにだけ伝えておいた。
だから私は覚悟しないといけないの。ううん、覚悟してなくてもこの要請だけはしないといけないの。
だって、私は死ぬことを許されてないから。
「ジミー、私は要請します」
だから私は死ねない。
act.46-12 桔梗 真琴
私は死ねない。
あらじんから貰った大切な命を無駄にはできないから。
だから、あらじん。私はあらじんのまじないを使ったんだ。やっぱりあらじんはすごいね。私は死んでないよ。
「ハハホホヘー!」
ジミーが私を煙を撒き散らし、覆い隠す。
私は一度だけ、能力を無駄遣いしている。
ジョーカーになったら、能力を使うたびに寿命が一日減る。だから無駄遣いは致命傷かもしれないけどそれでも使いたかった。
あらじんが死んだ直後、すぐにジミーを消したけど、家に帰ったらなんだか急に寂しくなった。だからというわけではないけどジミーを呼び出した。
「ハハホホヘー。早い呼び出しでございますですね、お嬢様」
「んっ。そうかな?」
私はとぼけたあと、
「ねえ、ジミーさん?」
「さん付けされますですと、わき腹がくすぐったいでございますからジミーとお呼びくださいませ、お嬢様」
「うん。じゃあ、私はジミーと呼ぶからジミーは私を真琴って呼んでよ」
「それは無理でございますです。要請するならともかく、自主的にそう呼ぶことはできないのでございますです」
「そういうものなの?」
「ええ、自然の摂理にございますです。さてそれでは要請しますですか?」
「しない。要請してまで私は呼んで欲しくないから」
「分かりましたでございますです。いつか我輩めがお嬢様をそう呼べる日が来るまで楽しみにしておいてくださいませ。ちなみにこれは社交辞令でございますので、ほぼありえませんが」
「それよりもね、あらじんは他になにか言ってなかったかな?」
「はて? 要請されたことは全て終わらせたつもりでございますですが」
「ううん。要請してないことでもいいから、あらじんが何をやっていたのか知りたいの」
「要請しますですか?」
「うん」
私が頷くと、ジミーは考え出す。
「そうでございますですね。お嬢様に役立ちそうなことと言いますれば、おそらく我輩を使った危機的状況時の完全回避が一番でしょうか」
「……何それ?」
「故・ご主人様は、死者の復活が我輩に要請できないと知ると、死なない方法を考えていたのでございますです」
「それは何?」
「我輩めに要請すればいいんでございますよ。能力によって死なないようにする、とか」
「それは一度要請すればずっと続くの?」
「もちろんでございますです」
「それじゃあ私は死なないってこと?」
「少し違いますです。我輩めを呼ぶたびに、つまり能力を使うたびに、寿命が減りますです。それはお嬢様が取り憑かれているからでございますですが。そしてそれと関連して、寿命がなくなれば死にますです」
「じゃあそれ以外では死なないようにはできるの?」
「不可能ではありませんが、少し違います。我輩め、死んだ人間は生き返らせれません。そしてお嬢様への外傷、ありとあらゆる攻撃を完全に無効化することもできません」
「じゃあどうやって死なないようにするの?」
「いわば超回復でございます。回復を超える超回復で、どんな致命傷でも、死ぬ前に修復するのでございますです。だから我輩にもし要請した場合でございますですが、死ななくはなりますが、と同時に毎回死ぬような痛みは我慢してもらう必要がございますです。その覚悟がおありであれば是が非でも要請してくださいませ」
どうしてあらじんはそれを分かっていながら、そうしなかったのかなと尋ねようとして私は気づきました。
私のためだ。私のために死のうと決めたから、それをしなかった。話すだけ話して、やめておいた。
それはきっと私があらじんのことが好きで、そしてあらじんが死んだら私はきっとジミーにあらじんのことを訊く。
そこまで分かっていたんだ。そしてジミーはこの話をした。
覚悟をしていたあらじんはこの要請をやめた。私を生かすためにやめた。
そしてあらじんは私が生き残るために、この要請をジミーにだけ伝えておいた。
だから私は覚悟しないといけないの。ううん、覚悟してなくてもこの要請だけはしないといけないの。
だって、私は死ぬことを許されてないから。
「ジミー、私は要請します」
だから私は死ねない。
日々徒然。152日目。お絵かきエディターとかが備わってることに気づいた。高確率で使わないだろうが。
2008-05-01 :
日記 :
語る意味を持たない何か
Author:伊藤検事
メガネっこ。日記は毎日更新。
やるせない毎日とふがいない日々に、
意気消沈中。
小説の更新はここではしなくなった模様。
ネット上のどこかにあるように思えます。
たぶん。